「日本」の読み方 どっちが正式か決まってないらしいので勝手に決めてみた。

「日本」というこの国の名称、読み方が決まってないそうです。
世間では「にほん」と言ったり「にっぽん」と言ったりしているけど、いちおう正式にはどちらかに決められてはいるんだろう、と思っていたら、法的にも決められていないのだとか。
中学生の頃にこれを初めて知った時は、けっこう驚きました。
こんな国、他にあるんでしょうかね。

日本政府は2009年6月30日に、ある民主党議員からの質問書に答える形で、

「にっぽん」「にほん」という読み方の両方が広く通用しており、どちらか一方に統一する必要はない

「日本」の読み方閣議決定 「にっぽん」でも「にほん」でもいい
J-CASTニュース

という答弁を閣議決定したとかしないとか。
政府が決める必要なしというならこのままでいいんでしょうけど、国の正式名称くらいはっきり決められないものかと思う部分もあります。
(2018年現在の政府見解がどうなのかは知りません)

可能性は低いと思いますけど、仮に将来的にどちらかに統一するという話になったとして、その時は「ニホン」「ニッポン」どちらの呼称にするのが妥当なんでしょう。

現在はどちらが優勢なのか

NHKの見解

たぶん、前出の2009年の閣議決定が政府の最新の見解ですが、
言葉の用法にうるさそうなNHKは「ニホン」「ニッポン」どちらの読み方を採用しているのでしょうか。

NHKには放送文化研究所という組織があります。
さらにその中に、放送用語研究会という組織(?)があります。
その放送用語研究会の前身である「放送用語並発音改善調査委員会」という読み方がよくわからない委員会が、その発足当時(昭和9年)に、

「正式な国号として使う場合はニッポン、そのほかの場合はニホンと言ってもよい」

NHK放送文化研究所
『「ニホン」か「ニッポン」か 「日本」の読み方の現在』

ということにしたそうです。

NHKという公共性が高い組織の決定ではありますが、あくまで放送内での使用に限ったローカルルールです。
だいぶ昔の話なので、現在の見解も当時から変わっていないのか気になります。

「放送用語並発音改善調査委員会」の途中の“並”はどう読むのかも気になります。
たぶん「ならびに」じゃないかと思いますが

国でも「ニッポン」に決まりかけたことがある

今のところ国名の読み方を正式に定めていない日本政府ですが、過去には統一の動きがあるにはあったようです。

国レベルでは、昭和9(1934)年に当時の文部省臨時国語調査会が呼称統一案として「ニッポン」にすることを決議しましたが、政府で採択されず、正式な決定がないまま現在に至っています。

NHK放送文化研究所
『「ニホン」か「ニッポン」か 「日本」の読み方の現在』

また、内閣情報局が昭和19年に発行した「週報」に掲載された投書にこんなのがあったそうです。

 「力強き日本、正しき日本は『ニッポン』であり『ニホン』はその語調において既に力が弱い。習慣の惰性でつい『ニホン』と口すべるのだと思はれるが、今日の日本においては是非『ニッポン』と正しく力強く呼称することを望む」

NIKKEI STYLE
『ニホンVSニッポン? 力強さで「ニッポン」派増加』

文面からして、当時は「ニホン」と読む人が多かったんでしょう。
しかし政府内には文部省臨時国語調査会のような「ニッポン」派が存在し、「ニホン」派の増加を嫌ってこの掲載に至った。五百円玉に「NIPPON」の文字を刻んでいることからも、政府としても本当は「ニッポン」に決めたいんじゃなかろうか。
しかし、どこかへの忖度で統一を見送り続けている。
という想像をしてみたりするのですが、いかがなもんでしょう。
どこかって、どこだ。

世間ではどちらが優勢か

NHKは「国名として使う場合はニッポン」というスタンス。
日本政府も、はっきりと統一はしていないがどうも「ニッポン」寄りなところが見える。

これは「ニッポン」が圧倒的有利か?
と思いきや、世間一般の人たちは違うようです。

NHKとテレビ朝日が「日本」の読み方について一般に行った調査結果を公開しています。

NHK放送文化研究所(たぶん2004年実施)
「ニホン」・・・・61%
「ニッポン」・・・37%

テレビ朝日(2006年実施)
「ニホン」・・・・69%
「ニッポン」・・・31%
(回答者が50人なのに、なぜこの数字になるのか謎です。2%刻みになるんじゃないの??)

どちらの調査でも、若い人ほど「ニホン」が多い傾向が見られたそうです。

NHK放送文化研究所『ことばの研究』
「ニホン」か「ニッポン」か 「日本」の読み方の現在

テレビ朝日『日本語研究室』
– 「日本」の読みは「にほん」? 「にっぽん」?-

 

当ブログは「ニッポン」派です。

どちらの読み方でもいいということになっている日本の国名ですが、あえてどちらかに統一するとしたらどちらがいいんでしょうか。

好き嫌いでいえば「ニホン」の方が好みです。なんというか響き的に。
しかし、個人的な好き嫌いやどっちが多数派かというのは置いといて、国名の正式な読み方としてはどちらがより相応しいのか。どういう根拠による結論が妥当なのか。

ひとつの根拠として「歴史的経緯」があります。
検索すればこの国の名前の変遷について書いてある記事がいくつも出てきます。
もちろんそれらも有効な根拠だと思います。
しかし、そういった昔のことについての情報は僕くらいの能力では収集すればするほど、考えれば考えるほど「諸説あり」ということになって、結局どうなのか判らなくなってスッキリしないままということになりそうな気がします。

なので僕はもっとブレの少ない、現行の統一ルールと思われるものを根拠に、
「ニッポン」に一票入れます。

国名の読み方はその国の言語の文法に則した読み方の方がいいんじゃないか、
という発想から、「日本」という二字熟語の読み方は「ニホン」ではなく、
より文法的に自然な「ニッポン」の方が妥当だと思うからです。

漢字が複数組み合わさって熟語になると、前後の発音の便宜によって音が変化する場合があります。

「一本」→「イチ」+「ホン」→「イッポン」
「鉄板」→「テツ」+「ハン」→「テッパン」

この例の場合は促音化と半濁音化ですね。
文法の解説にも出てくる音便の一種です。

しかし「イチ」の「チ」や、「テツ」の「ツ」が完全に省略される変化は、僕が探してみた限りでは文法上の解説では見つけることが出来ませんでした。
「一」の単漢字に「イ」という読みがあれば別ですが、漢字辞書にはそういう読みはありません。「鉄」も同様。
つまり文法に則した読み方をしようとすると「イホン」や「テハン」とは読めないわけです。

「日本」も、「ニチ」+「ホン」→「ニッポン」なら上記の音便にあたります。

「日」という漢字の読み方は、基本的には4通り。

「ニチ」
「ジツ」
「ひ」
「か」

「ニ」という読みはありません。
つまり「ニホン」という読み方はルールから外れた当て読みということになります。

ゆえに「日本」の読み方は「ニッポン」が妥当なのではないかと思います。
ごく単純、無味乾燥で面白くない理由ですが、僕個人としてはこれが一番収まりがいい感じがしました。

歴史的には「ニチ」ではなく「ジツ」の音をとって「ジッポン」という読み方も存在していたようで、文法を基準にするならこれもヘンではありません。
しかし残りの2つ「ひ」と「か」は訓読みなので、音読みである「ホン」には普通はくっつきません。文法上は変則的・例外的とされる「湯桶読み」になってしまいます。
もしこれらが採用されていたら、そうとう面白い語感の国名になっていたかも知れません。
「ヒッポン放送」とか「カッポンレンタカー」という会社ができていた可能性も。
そんな国名になるくらいなら、今のどっちつかず状態の方がマシな気が・・・

 

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ばどぷら

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